足の疾患

主に足首から足の趾にかけての病気についてです。足の疾患は100以上に及び専門性の高い特徴があります。ここに取り上げるのは代表的な足の疾患の一部です。その他にも足の痛みでお困りの方はお気軽に外来へどうぞ。

外反母趾

若年から高齢者までそれぞれ多くの方がその変形や疼痛を主訴とする疾患です。

原因は一般的にはかかとの高い靴や女性、遺伝が主に作用していると言われています。

母趾の変形はやがて2-5趾にも影響を与え変形を起こします。疼痛は母趾の内側だけでなく2趾のつけねの底側にも”たこ”(胼胝)ができ痛みをだします。母趾のしびれを伴う人もいらっしゃいます。orthopedics_foot_01

また偏平足になっている方も多く治療に際しては変形している母趾だけでなく、総合的に足の形を見る必要があります。

治療は保存治療が効果的で靴の変更や足の内在筋を鍛えるリハビリ、装具療法(夜間などに装着)などが有効です。

疼痛の改善がない場合には手術を行います。

変形している骨を一旦切離し矯正する手術を行いますが、重症度や他の変形によって手術法は異なり総合的にみてから行います。場合によっては複数箇所の骨切りが必要となります。

入院期間は希望により数日から2週間程度で術直後より疼痛の軽い方では歩行可能です。

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趾変形

鈎爪趾、ハンマー趾、マレット趾

いずれもいろいろな要因によって起こる足の趾の変形です

軽度の変形はたくさんの方がいらっしゃいますが、重度になると指の先端や指の背側に胼胝(タコ)ができ荷重時や靴を履いた時にあたり痛みが出ます。

疼痛を伴う場合は靴の先端が高い靴をはいたり、ストレッチを行ったりしますが、重度の場合は手術治療にて指をまっすぐすることにより改善し胼胝も消失します。侵襲も小さく日帰り手術が可能です。

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内反小趾

外反母趾は有名ですが、小趾側でも同様の変形をきたし小指が母趾側に向き、その根本が外側に突出し靴などにあたり痛みが出る病気です。外反母趾や偏平足に併発している場合も多く先端が細い靴などで体重が前足部にかかり前方の横アーチが潰れることでさらに悪化します。パッドを入れた先端の広い靴などの使用で改善することができます。

モートン病

2-4趾の付け根の痛みと趾のしびれを伴う病気です。原因は指の間にある神経が骨に圧迫され痛みとしびれが出ます。先端が細い靴などにより横アーチが潰れたりすると悪化します。治療は靴の変更や先端の足底にパッドをいれ横アーチを保つと改善します。その他には注射なども有効です。

成人期偏平足

内側のくるぶしの下から後ろ辺りまで痛みがでて、つま先立ちや歩行時に疼痛を訴えます。構造的な問題がない場合も多く、後脛骨筋腱と呼ばれる腱の炎症により足の縦アーチが減少することが原因です。

治療は減量やアキレス腱のストレッチ、縦アーチを支える装具(アーチサポート)を行います。また疼痛が強く歩行も困難な場合は一時的なギブス固定なども有効です。

足関節捻挫

足部の外傷で最も多いと思われる怪我ですが、通常短期間のギブス固定、その後はテーピング、装具固定にて治療を行います。重症度によりスポーツ復帰までの期間は異なりますが、一般的には手術が必要になることは少なく予後は良好と言われています。しかし疼痛が残存する場合は後述する離断性骨軟骨炎や外側側副靭帯損傷、腓骨筋腱脱臼など様々な疾患を併発していることがあるため注意が必要です。

足関節外側側副靭帯損傷

足関節の外くるぶしの下端についている3つの靭帯からなり足関節捻挫と同様の機序で受傷しますが、スポーツ外傷の中では最も頻度の高いうちの一つのケガです。骨折の場合は痛みも強く受診されることも多いですが、靭帯損傷の場合は捻挫と思い適切な治療を受けず、後に不安定性を残す場合があります。その場合何度も捻挫を繰り返すようになってしまいます。

捻挫を繰り返すようになると関節軟骨の損傷が進行することになり最悪の場合は変形性足関節症を発症し日常生活にも支障をきたす様になる場合もあります。

治療については靭帯の損傷程度により固定や運動療法などを行います。

不安定性が残存した場合は手術が必要で靭帯再建を行います。

手術後は日常生活復帰に約2-3週、スポーツ復帰には3ヶ月程要します。またその間に落ちている筋力や感覚も取り戻すリハビリが必要です。

離断性骨軟骨炎(距骨骨軟骨損傷)

距骨と呼ばれる骨の軟骨の一部が傷ついてしまう病気です。原因は外傷を中心に様々ですが、度重なる捻挫が原因の一つとなります。

早期に発見できた場合はギブス固定などで治療することができます。しかし陳旧例では保存治療で治癒することは難しく手術治療が必要な場合があります。

手術治療は関節鏡下に遊離体となった骨を除去する方法、母床の骨に孔を開けることにより軟骨を誘導する鏡視下ドリリング法、欠損部が大きな場合やドリリングで効果が不十分であった場合は、他部位より軟骨を移植する骨軟骨移植法を行います。

特に関節鏡による手術は創部も小さく早期の退院が可能となります。

変形性足関節症

陳旧性の靱帯損傷後や骨折などの外傷後に起こる関節の変形です。膝の軟骨がなくなりO脚になる事がありますが膝と同様に足首にも同様の病気があり軟骨がすり減り摩耗すると関節の隙間が減少し、可動域が悪くなり正座や歩行時運動時に痛みが出るようになります。

治療はサポーターや関節注射、運動療法などを行います。

改善がない場合は進行期の場合は骨切り術が有効ですが末期関節症になる場合は関節固定術を行います。関節鏡にて固定術を行うことも可能で侵襲が非常に小さく有用です。